こんにちは!
まるやま歯科院長の丸山です.
みなさんはご自分のむし歯のリスクはご存知でしょうか? 一口にむし歯のリスクといってもむし歯には様々な原因があるので,簡単にはわかりません.そのため,まるやま歯科ではみなさんのお口の写真や詳しいレントゲンを撮り,詳しくお話を聞かせてもらったり,お食事調査を行ったり・・いろんな検査をするんですね!
でも簡単に調べることができるリスクもあるんです.
まずはむし歯菌の量!
むし歯の原因はむし歯菌ですので,お口のなかにどのくらいのむし歯菌がいるか調べてみることはむし歯を予防する上でとても重要です.
上の写真はむし歯菌のなかでもミュータンス菌と言われる種類の菌を培養したものです(青い点がむし歯菌です).同じ人間でも人によってこんなに検出量が違うんですね!ミュータンス菌はネバネバした液体も作るので,歯面に強固に引っ付いてむし歯を作ります.そのためむし歯の原因菌の代表格と言われています.
次にむし歯菌の種類!
じつはむし歯菌っていくつかの種類があるんです.代表的なものは上の写真のミュータンス菌なのですが,他にもラクトバシラス菌があります.
この菌も人によってこんなに差があるんですね!このラクトバシラス菌は,できてしまったむし歯の穴のなかや銀歯の隙間などに多く検出されるむし歯菌です.
これらの菌がなぜむし歯菌と言われるのか・・ それはお砂糖を原料にして酸を作ることができるからなんです.歯はカルシウムの塊ですから酸性の環境に晒されると簡単に溶けてしまいます.詳しくは以前の投稿(飲食物で歯が溶ける!?)を参照ください.
ではこの酸から歯を守る手段はないのか・・・
ちゃんとあるんです!
唾液です.
唾液は口の中の菌や酸を洗い流してくれるのです.だから当然唾液の量が多い人の方がむし歯にはなりにくいと言えます.(唾液の量も簡単に測れますよ!) また,唾液には,むし歯菌が出した酸を中和してくれる働きがあります.ただ,この酸を中和する力(緩衝能といいます)も人によって違うんです.
この写真はそれぞれ異なる患者さんの唾液の緩衝能を調べた結果ですが,緩衝能の高い(むし歯になりにくい)人は試験紙が青っぽく,緩衝能の低い(むし歯になりやすい人)はオレンジっぽくなります.
人によってこれだけリスクが違うわけですから,当然リスクの違いによってメインテナンスのやり方や間隔,特にセルフケアや日常生活での注意点などが異なってきます.
もちろんむし歯の原因はこれだけでなく,かなり沢山の要因がありますのでこれらの検査で全てがわかるわけではありませんが,調べてわかることは調べておいて損はないですよね!
むし歯予防は歯磨きだけではありません.むし歯を予防したければ自分自身のリスクを知り,適切なアドバイスを受け,賢くむし歯予防していくことがあなたのお口の健康を守る第一歩です!