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削って詰めても治らない

みなさんこんにちは!
まるやま歯科院長の丸山です。

今日はちょっとむし歯のお話です。

むし歯の治療ってどうやって行うのでしょう??

この質問をするとほとんどの方が

「削って詰める!」

っと答えると思います。

歯医者さんに行くとよく

「診査の結果3本むし歯があるので削って詰めましょう」

っとか言われますね・・

もちろんまるやま歯科でもむし歯で穴が空いている歯があると削って詰め物をする場合があります。

でもこれは決してむし歯を「治している」わけではないんですね・・

そう!むし歯は「削って詰めても治らない」んです!?

むし歯という病気は、お口の中の常在菌(ごく普通にいる菌)が、糖(お砂糖や炭水化物)を原料にして酸を吐き出し歯を溶かす(脱灰といいます)ことによって進行します。

つまり我々のお口の中はご飯を食べるたびに酸によって溶けているのです。

それでも歯が無くならないのは、一旦歯が溶けた後に唾液の力で溶けた歯を修復している(再石灰化と言います)からなのです!

普段は脱灰しても唾液の力で再石灰化するので歯は溶けないのですが、むし歯菌の出す酸の量が多かったり、砂糖の摂取頻度が多かったり、唾液が少なかったり・・

いろんな理由で脱灰のスピードが再石灰化のスピードを上回ると穴が開いてしまうんですね・・

つまり、むし歯の治療に必要なのは、この脱灰と再石灰化のバランスを整えることなのです。このバランスを整えることをせずにむし歯を削って詰めてもすぐに再発を繰り返すだけなんですね!

たとえむし歯で穴が開いていても、その穴がきちんと清掃でき(溜まっているむし歯菌を除去できる)、再石灰化が促進されれば、進行しないようにコントロールすることが可能です。

ただ、そのためには、脱灰と再石灰化のバランスを整えて継続的にモニタリングしていくことが大切です。

削って詰めてまた何かあったらいらしてください!

は間違いです!それはむし歯を全く治していないのと一緒です(つまり治療していない・・)。

ちょっと難しいですかね??
みなさん糖尿病という病気をご存知でしょうか?
この病気は、生活習慣病と言われ、治療を受けている方も多いでしょう。
この糖尿病という病気は、進行すると末端の血管が腐って手足を切断することもあるという恐ろしい病気と聞きます。

では不幸にして手足を切断してしまった場合、その患者さんはどうするでしょうか?
もちろん義手や義足のような代わりになるものを作ってもらうことになるでしょう・・
義手や義足を作ることはもちろん大事なことですが糖尿病の治療ではないですよね!
運動療法や食事療法、インシュリン注射など、根本的な糖尿病の治療をしないと、次は反対側の手足がなくなるだけですよね・・

歯の治療も全く同じです。

削って詰めるのは、失われた機能を回復しているだけで、根本的な問題を解決しているわけではないのです。

そう、何度でも言います。

「むし歯は削って詰めても治らない」