こんにちは!
まるやま歯科院長の丸山です.
6月は虫歯予防デー(6月4日)があるので歯科検診を受けた方も多いのではないでしょうか?
みなさん定期管理で虫歯を予防しましょう
さて,私は,昨年より母校である九州歯科大学の非常勤講師を拝命し,年に一度,「WADS C
AMP」という学生キャンプで講義をさせていただいています.
今年は2度目だったので,余裕を持って挑むことができた・・
ハズだったのですが,直前でまさかのプロジェクターのコネクターを忘れたことが発覚っ!!
100名ほどの学生と引率の先生方を前にあたふた・・
たまたま同じMacのパソコンを持っている先生がいてなんとかなりましたが,20分ほど全員を待たせてしまい,本当に申し訳なかったです.
このWADS CAMP,4年生が対象なのですが,自分の将来の歯科医師像を考えることが目的なのだそうです.
歯科学生の卒後の進路は色々とあるのですが,8割くらいが将来的には開業すると言われるこの業界,開業医代表として学生を前にお話しさせていただくのは,大変光栄ではあるのですが,その分責任も重大・・
色々と考えたのですが,やはり昨年と同じ,医療の根拠と病因論についてお話しさせていただきました.
むし歯は削って詰めないと治らない!
よく聞きますが,果たして本当でしょうか??
これが正しいのならば,むし歯を削って詰めたらその歯はもうむし歯にはならないハズですよね・・・
だって治ってるんですから・・
でも実際は削った先からまたむし歯になる・・
我々歯医者さんが毎日行う歯を削る治療は8割が再治療と言われています.つまりは過去に削ったところをまた削っているんですね!
そう,正しくは,
むし歯は削って詰めても治らない!
なんです.
なぜかって?
それは人がどうしてむし歯になるのかを考えてみたらわかるんです.
むし歯の原因はむし歯菌ですよね?
このむし歯菌がお砂糖を原料にして酸を吐き出すから歯が溶けるのです.
なのでむし歯を治すには,
・むし歯菌をお口の中から駆逐する,
・むし歯菌にお砂糖を与えないようにする.
・歯が酸で溶けないように強くする.
これらを実践しないとまたむし歯になってしまうんですね・・
もちろん,これらを完璧に出来ればむし歯にはならないのですが,そもそもお口の中からむし歯菌を駆逐することは不可能ですし,お砂糖だって生きる為には必要です.四六時中酸に晒されたらさすがに歯だって溶けちゃいます・・
100パーセントコントロールすることはできなくても,可能なかぎりコントロールすることで新たなむし歯を防ぐことは十分可能なのです.
話が戻りますが,むし歯を削って詰めても,そもそもむし歯になった原因を除去しないとまた同じところがむし歯になってしまうんですね・・
こういうのを病因論っていいます.
削って詰めるだけの歯科医療にはなんだかこの病因論がすっかり抜け落ちちゃっている気がしますね・・
これから歯医者さんになる学生には,ぜひこの「病因論」を大事にしてもらい,日本人のお口の中からむし歯がなくなるその日を目指して欲しいものです!