むし歯の切削基準について

こんにちは!

まるやま歯科院長の丸山です.

本日はむし歯の切削基準について少し書きたいと思います.
歯科医師という職業をやっているとよく聞かれるのが,
「歯医者さんって先生によってたくさん削る先生とあんまり削らない先生がいるのはなぜ?」という疑問です.
歯科医師はある一定の根拠を持ってその歯を削るか削らないか決めているわけですが,穴があるから削って詰める・・といった単純な問題ではないので少し難しいかもしれませんね!

 

日本歯科保存学会が出しているう蝕(むし歯)治療ガイドラインに切削の基準が述べられているのでこちらをご紹介します.
切削の対象となるのはどの程度に進行したう蝕か.
推奨:以下の所見が認められる場合は修復処置の対象となる.とくに複数認められる場合には直ちに修復処置を行うことが望ましい.
1)歯面を清掃乾燥した状態で肉眼あるいは拡大鏡でう窩を認める.
2)食片圧入や冷水痛などの自覚症状がある.
3)審美障害の訴えがある.
4)エックス線写真で象牙質の1/3を超える病変を認める.
5)う蝕リスクが高い

この中で注目して欲しいのが,4)です.

 

エックス線で象牙質の1/3を超える病変を認める.

つまり・・・

エックス線で象牙質(歯の内側の柔らかい部分)の1/3を超えていなければ切削の対象ではないということです.
どんなに小さなむし歯でも必ず発見して削って詰める!っというのは間違いなんですね!

ただ,ここで5)にも注目してほしいですね

う蝕リスクが高い

同程度のむし歯でもう蝕(むし歯)のリスクが高い人では削って詰めたほうが良いがリスクの低い人では削らなくてもよい場合があるということです.
ではう蝕のリスクってどうやって決めているのでしょうか?

このガイドラインでは,う蝕(むし歯)のハイリスク要因として
全身的既往歴(全身疾患や薬物の使用など)
歯科的既往(修復の数や頻度など)
口腔衛生状態
食事
フッ化物
唾液
社会生活

を挙げています.
まるやま歯科に通院中の方はもうおわかりですね!

そう・・

だからまるやま歯科では唾液検査をしたりお食事調査をしたり,染め出し液を使ってみたり,フッ素についてお話ししたり・・

大きく進行する前にむし歯を発見し,リスクコントロールを行い,進行を抑制することができれば,歯医者さんで痛い麻酔の注射をしたり,あの嫌なキーンという音に怯えたりしなくても良いということなんです!
むし歯の治療で悩んでいる方には朗報ですね!

歯を削られるなんて誰でも嫌に決まっています.
そのために少しでもリスクを下げ,切削対象となる前にあの手この手で進行抑制を試みる!
これが大事なんですね!
そのためには目の前にいる患者さんのリスクを知り,改善すべき点があればアドバイスしてリスクを下げる.
これが無駄な治療をしなくて済む一番の近道なんですね!

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